三国志演義2013/03/13

タルイ工房 新ネコ日記 凛蔵
北方謙三さんの三国志を読んでいる。
ちょっとづつ、ちょっとづつ、なので
ずいぶん時間がかかっているけど。

元々の三国志ー三国志演義は
中国の四大奇書の一つで
日本でも非常に人気が高い歴史小説だ。
史実をベースに、民間伝承の話、
フィクションを加えてある。

三国志という中国の歴史書があるが
ここでいう三国志とは別。
日本史の教科書に出てくる魏志倭人伝、
これは歴史書の三国志の中にある。

三国志演義はスケールも広大、
壮大なドラマで魅力がいっぱいあるから
非常に人気が高いのだけど、
常々気になっていたのは
歴史小説としての完成度の低さ。
登場人物がやたらに多い上に、
ごく一部の登場人物を除いて
名前が出てくるだけで、
人物が描かれていない。
だからお話の説得力も乏しい。
物語の伏線みたいなものもない。

例えば、主役の一人、諸葛亮、
彼の登場は演義の中盤になってから。
普通レベルにに優秀な小説であれば
お話の早い段階から、
子どもの頃の諸葛亮を、うまく話に登場させて
中盤での本格的登場への期待感を高める
くらいの演出があっても良さそう。
主役級の諸葛亮でさえそういう感じだから、
他の登場人物は、とつぜん現れて
たいしたエピソードも人物描写もなく
消えていく。

そんな感じなのに、充分面白く、
魅了してやまない、不思議だ〜。

北方謙三さんは
三国志演義のスケール感を失わせず、
たくさんの人物に息を吹きかけ
物語に説得力を与えている。

この先も楽しみだが
読了は遠い。。。