水滸伝なう2011/11/25

ここのところの読書の時間は
北方謙三「水滸伝」

中国の代表的長編小説「四大奇書」
『三国志演義』『西遊記』『金瓶梅』
そして『水滸伝』

このうち、『三国志演義』と『水滸伝』は
原作の翻訳本や横山光輝さんのマンガ、
吉川英治さん他、何人かの小説家が
書かれたものを読んでいるが、
(吉川さん、水滸伝はお書きになってないかも〜)
北方謙三さんのはまだ読んでいなかった。

9月に三国志フェスに参加したこともあり、
久しぶりに三国志を読もうかな〜、
そうだ、まだ読んでなかった北方さんのを読んでみよう
ということで読み出した。
北方さん「三国志」刊行記念「三国志・中国ツアー」の
パンフレットでイラストを描かせていただいたことがあり
(10年以上前の話)
北方先生直筆サイン入りの第1巻を戴いていたのだ。

おお〜、さすがにハードボイルドの巨匠、
血わき肉おどるなぁ〜と第1巻読了。
ところが近所の書店に2巻がなかったので
なんとな〜く、同じ北方さんの「水滸伝」を
代わりに買ってきてしまった。

読みはじめて驚いた。
登場人物こそ、今まで読んできた水滸伝と同じなのだが
登場の順番やストーリーが
スタンダードな水滸伝とかなりちがう。

よく、原作やスタンダードな話を愛読してると
自分の持ってるイメージとちがったものに対しては
何とも言えない違和感や拒否感が生じることが多々あるが、
これは不思議となかった。
むしろ説得力を感じた。

「水滸伝」は
汚職や不正で満ちた宋王朝の末期。
世間からはじき出された108人の好漢たちが、
様々な経緯を経て梁山泊に集結、
「替天行道」腐敗した官吏を倒し、
国を救う事を目指す、というようなお話。

オリジナル水滸伝の弱点というか問題点、
話のスケールが大きすぎ、登場人物が多過ぎ。
梁山泊の好漢108人はいくらなんでも。
名前だけの登場で人物が殆ど描かれてない人が
たくさんいるのだ。
これは三国志にもいえること。
日本の滝沢馬琴「南総里見八犬伝」は
「水滸伝」をヒントに書かれたと言われているが、
108人の好漢が八犬伝ではたったの8人に絞られている。
(八犬伝は人形劇しか見てないですが。。。)

北方さんのは、
1人1人の人物がかなり深く描き込まれている。
北方さんオリジナルのエピソードで、
好漢たちも、ただ強いだけでなく、
弱い面、悲しい想いもしてきたんだなぁ〜と
説得力があるし、
敵側の人物もじっくり描かれている。

まだ6巻なので判らないけど、
好漢108人、全員出てくるのかなぁ〜?

気軽に読み始めちゃったけど、
何巻まであるのかな〜と調べてみたら
19巻。うはぁ。。。
これは参った。

ミュージアムショップ
http://www.collins.ne.jp/tarui/
タルイ工房
http://tarui.net